福岡のSKY PLANT DESIGN代表の藤井敦士(フジイアツシ)のデザイン系情報ブログ。技術情報以外にも独立のコツや哲学や精神論などちょっと変わった情報を配信しています。

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19歳の子に「デザイナー」になりたいんです…と言われた話


先日、19歳の男の子から「デザイナーになりたいんです」相談を受けました。

 

彼はまず専門学校に行き、それからグラフィック or WEB or 映像のどれが自分に合っているか確かめたい。

 

そしてそれからデザイン事務所に入って修行を積みたいと相談してきました。

 

ちゃんと自分で調べてえらいなぁ、俺こんなにちゃんと考えず19の時にデザイン業界に飛び込んでちょっと恥ずかしいなぁと思ってしまいました。

 

しかし、ちょっと引っかかった事がありました。

 

彼「専門学校行ったほうが就職に有利なんですよね?」「いきなり正社員になるのって難しいんですか?」

 

デザイナーは国家資格ではないので「私はデザイナーです」と言った時からプロです。

 

例えばお笑い芸人さんになりたい時に、先輩に「お笑い芸人になりたいんです!養成所行ったらいきなりレギュラー番組持てますか!?」と聞いているのと同じです。

 

要は国家資格じゃないんだから実力がすべてだよという話。

 

アルバイトでも超売上上げられる人であれば、あっという間に正社員になれるだろうし、下手すれば役員になれます。

 

実際周りのデザイナーで役員になった人がいます。

 

という事は現場に入るのはなるべく早いほうが良い訳で、専門学校に行かずいきなり未経験でデザイン事務所に入れば2年 or 3年現場経験を積めるのです。
(持論でして、決して専門学校に行かないほうが良いという意味ではありません。)

 

なので、彼には「もちろん専門学校もいいけどまずPCとイラレとフォトショを買って、本で独学して、アルバイトでデザイン事務所に応募してみるのも手だよ、相当ハードな選択だけどね。がんばって。」と伝えました。

 

確かに専門学校に行けば基本的な技術は身につくので自信も付き、安心もできるでしょう。

 

しかしその間、授業料を払わなければなりませんし、生徒である限りプロでもないし責任もありません。

 

お金を貰って現場で働けば「プロ」であり「瑕疵担保責任」が発生します。
※瑕疵担保責任とは、発注した内容に不備がなく、要件を満たした状態で納品する責任のこと

 

人間は何かを学ぶ際、お金を払うよりも貰う事のほうがプレッシャーを感じるのです。

 

お金を払って英会話教室に通うより、そこそこの実力しかないのに通訳の仕事をするのと同じです。

 

要は、お金を貰いながら勉強したほうがプレッシャーの分だけ早く成長するし、技術よりも大事な「空気を読む」とか「お客様とは何か」という事も学べるよと。

 

そういう事を言いたかったんですよね。

 

彼は今必死に自分で勉強して一人暮らしをし、就職活動をし、本当の自立をしようとしています。

 

未来ある若者に、少しでも、ほんの1mmでも力になれれば、こんな嬉しい事はありません。

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